仔犬(パピー)の行動学 Puppy Behaviouring [Dog Behaviouring]
先月一段落したパピークラスに、今月もまた参加させて頂いています。
相変わらずTony Orchardのドッグトレーニングは大盛況で、この不況下でも連日数多くの犬と飼い主がやってきます。
木曜日の晩、パピークラスに訪れる面々は以下の通りです。
【屋内の教室に飼い主とパピーがぎっしり】
・ ラブラドール・レトリバー (黒と茶)
・ ワイマラナー
・ スタフォードシャーテリア
・ ウィペット
・ フラットコーテッド・レトリバー
などなど。
日本でパピークラスを開催するとどうなるでしょうか? 恐らく…
・ ミニチュアダックスフント
・ フレンチブルドッグ
・ チワワ
・ トイ・プードル
・ ポメラニアン
・ 柴犬
の様になりますでしょうか。
【教室の反対側の様子 日が長くなり夜でも明るいです】
個人的には大型犬の方が小型犬より好みますが、犬は全般的に好きです。
帰国した際の弱点にならないよう、最近では小型犬を見かけた際には積極的に行動観察を行うようになりました。
それは、僕にとってプラスだなと思います。残念ながら問題行動の相談は、大型犬の方が多いかも知れませんが…。
小型なパピーを見ることは大変勉強になります。彼らがどのように犬同士とコンタクトを取っているのか。また、犬から見た人という動物に対してどのように話しかけているのか。そういった事を考える事は、僕の仕事をしていく上ではとても大切です。
ざっくり言うと、パピー時の犬の行動から学べる事は彼らの個別な性格だと思われます。
勿論、ご存知の様に犬種毎の本能の違いというものもありますが、それ以上に同じ犬種でも違った性格を持っている犬が多々います。
Behaviouringの基礎は、個々の犬を観察する事。犬種からの行動学のアプローチは極めて重要といえますが、それが「絶対である」と決め付けてかかるとBehaviouringになりません。様は、各家庭各環境各犬種。そして、各犬一匹一匹に対しての完全なオーダーメイドなければ意味がないのです。
【黒ラブラドールと茶ラブラドール】
例えば、こちらの二匹(上の写真を見てください)。同系のラブラドール・レトリバーです。
少し奥にいる茶ラブが見ているのは、手前の黒ラブが噛んでいるチューイング・ボーン。この写真だけで見ると、黒ラブがそれを旨そうに銜えているのを見て、茶ラブが「良いなぁ」という感じ。
他に感じ取れる事はありますか? それが、Behaviouringの一歩です。
この際の茶ラブのテンションは目の前の黒ラブが銜えている骨のみ。
その後の、飼い主のアクション。それに対する茶ラブのリアクション。これによって飼い主と犬の絆の深さが見えてきます。(これを個人的に、飼い主と犬の関係のBehaviouringと呼んでいます)
例えば、飼い主が茶ラブを呼ぶ。反応するかどうか。
・ 反応した場合→何故、反応したのか?(声の抑揚・動き・テンションの方向性)
・ 反応しない場合→何故、反応しないのか?(骨へのテンションが強力?飼い主への信頼?)
現実、起きている問題として取り上げられるパターンの多くは、勿論後者の方です。
【仔犬トレーニングの様子 左側のおじさんがTony】
犬の性格は、他の犬や飼い主、また飼い主の友人・知らない人たちにあった時のリアクションなどでわかります。他の仔犬と遊ぶのが好きな犬もいれば、リードを話しても飼い主のそばにいて離れない犬もいます。
「そばに居て離れない」という現象が、「あ、この子は臆病なのだな」という表現かもしれません。
但し、そういった決め付けが後の問題になる可能性は大いにあります。
すなわち、「そばに居て離れない」という現象だけでは
・ 臆病である
・ 単に他の犬に興味が無い
・ 腹が減った
・ 今日はちょっと気分が悪い
・ リードを話してもらったことに気付いてないくらいどんくさい
・ なんとなく寒いし、べったり
などなど。
上記、全ての感情の可能性があります。勿論、複数選択可能となりますので複雑です。
Behaviouringの面白さと難しさはここにあります。
そういう風に仔犬を見てみると面白くありませんか?
勿論、仔犬だけではなく成犬になってしまった犬でも基本は全く同じです。
犬に教えるだけでなく、犬から学ぶ事の方が多いですよ。是非、愛犬の観察を始めてみてください。
相変わらずTony Orchardのドッグトレーニングは大盛況で、この不況下でも連日数多くの犬と飼い主がやってきます。
木曜日の晩、パピークラスに訪れる面々は以下の通りです。
【屋内の教室に飼い主とパピーがぎっしり】
・ ラブラドール・レトリバー (黒と茶)
・ ワイマラナー
・ スタフォードシャーテリア
・ ウィペット
・ フラットコーテッド・レトリバー
などなど。
日本でパピークラスを開催するとどうなるでしょうか? 恐らく…
・ ミニチュアダックスフント
・ フレンチブルドッグ
・ チワワ
・ トイ・プードル
・ ポメラニアン
・ 柴犬
の様になりますでしょうか。
【教室の反対側の様子 日が長くなり夜でも明るいです】
個人的には大型犬の方が小型犬より好みますが、犬は全般的に好きです。
帰国した際の弱点にならないよう、最近では小型犬を見かけた際には積極的に行動観察を行うようになりました。
それは、僕にとってプラスだなと思います。残念ながら問題行動の相談は、大型犬の方が多いかも知れませんが…。
小型なパピーを見ることは大変勉強になります。彼らがどのように犬同士とコンタクトを取っているのか。また、犬から見た人という動物に対してどのように話しかけているのか。そういった事を考える事は、僕の仕事をしていく上ではとても大切です。
ざっくり言うと、パピー時の犬の行動から学べる事は彼らの個別な性格だと思われます。
勿論、ご存知の様に犬種毎の本能の違いというものもありますが、それ以上に同じ犬種でも違った性格を持っている犬が多々います。
Behaviouringの基礎は、個々の犬を観察する事。犬種からの行動学のアプローチは極めて重要といえますが、それが「絶対である」と決め付けてかかるとBehaviouringになりません。様は、各家庭各環境各犬種。そして、各犬一匹一匹に対しての完全なオーダーメイドなければ意味がないのです。
【黒ラブラドールと茶ラブラドール】
例えば、こちらの二匹(上の写真を見てください)。同系のラブラドール・レトリバーです。
少し奥にいる茶ラブが見ているのは、手前の黒ラブが噛んでいるチューイング・ボーン。この写真だけで見ると、黒ラブがそれを旨そうに銜えているのを見て、茶ラブが「良いなぁ」という感じ。
他に感じ取れる事はありますか? それが、Behaviouringの一歩です。
この際の茶ラブのテンションは目の前の黒ラブが銜えている骨のみ。
その後の、飼い主のアクション。それに対する茶ラブのリアクション。これによって飼い主と犬の絆の深さが見えてきます。(これを個人的に、飼い主と犬の関係のBehaviouringと呼んでいます)
例えば、飼い主が茶ラブを呼ぶ。反応するかどうか。
・ 反応した場合→何故、反応したのか?(声の抑揚・動き・テンションの方向性)
・ 反応しない場合→何故、反応しないのか?(骨へのテンションが強力?飼い主への信頼?)
現実、起きている問題として取り上げられるパターンの多くは、勿論後者の方です。
【仔犬トレーニングの様子 左側のおじさんがTony】
犬の性格は、他の犬や飼い主、また飼い主の友人・知らない人たちにあった時のリアクションなどでわかります。他の仔犬と遊ぶのが好きな犬もいれば、リードを話しても飼い主のそばにいて離れない犬もいます。
「そばに居て離れない」という現象が、「あ、この子は臆病なのだな」という表現かもしれません。
但し、そういった決め付けが後の問題になる可能性は大いにあります。
すなわち、「そばに居て離れない」という現象だけでは
・ 臆病である
・ 単に他の犬に興味が無い
・ 腹が減った
・ 今日はちょっと気分が悪い
・ リードを話してもらったことに気付いてないくらいどんくさい
・ なんとなく寒いし、べったり
などなど。
上記、全ての感情の可能性があります。勿論、複数選択可能となりますので複雑です。
Behaviouringの面白さと難しさはここにあります。
そういう風に仔犬を見てみると面白くありませんか?
勿論、仔犬だけではなく成犬になってしまった犬でも基本は全く同じです。
犬に教えるだけでなく、犬から学ぶ事の方が多いですよ。是非、愛犬の観察を始めてみてください。
2010-04-16 22:53
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なるほどぉ~。ウチのシリウスはリードを話しても他の犬とは遊ばず、私と遊ぼうとします。
要は、他所の犬は無視( ̄▽ ̄;)
子犬時代、飼い主に興味を示さず遊ぶことさえしなかった為、彼の気を引くために遊びすぎたかもしれない( ̄▽ ̄;)
なんせ、マザコン・ボーダーなので(笑)
日本ではやっぱりプードルとか多いのかなぁ。
ボーダーもブログを通してしか知らないけど、結構日本で多そうですよね。
ちなみに私の所属するセンターでは、黒ラブ、ボルティギーウォータードッグ、シェルティー、ハンティング系、シェパード、国家スパニエル系、なんかをよく見かけます。パピーアジリティーなんて、そりゃあ、シェルティーいっぱい。
予想していたボーダーはあまり見かけません。
なんせ、センターのトレーナーさん達いわく、
初心者でボーダーを飼うのはチャレンジャーだそうなので( ̄▽ ̄;)
最近気づいたのですが、日本の方が犬の健康面を気遣ってる人が多そう。
うちのセンターなんて、ホットドックやらチーズ、ハム、果てはシリアルなんて普通にご褒美として使ってるし、「これ、ローファットですか?」と質問したら、「あはははは、そんなのこと気にする必要ないわよ。普通に運動させてれば太ることないわ。」と笑われました。
日本はもっとこうカロリー計算したり、健康的な犬用のおやつやら、手作りやらにこだわる飼い主さん達が多いですもんね。
私はカロリー計算はしませんが、スペシャルなオヤツは手作りしています。
ちょっとおもしろいなぁ~と思った発見でした。(ちなみにいつも通りあくまでもウチのセンターの話であり、また私の思い込み部分も多々あるので、あまり参考にはなりませんが)
イギリスのおやつ事情はどうですか?
by ボーダーママ (2010-04-17 01:55)
きちんと観察出来てる飼い主さん、少ないような気がします。
大型犬を飼っている方は、かなり気にかけている方が多く見受けられますが
小型犬を飼っている方は、頭ごなしに怒ったり、無理に引っ張って言うこと聞かせようとしたり…
そういうのを見ると、自分は気をつけて見てあげなきゃって思いますし
他のコも観察して合わせてあげないととも思いますね。
by makitintin (2010-04-17 11:47)
ボーダーママさん
いつもコメント有難う御座います!
面白いですねぇ、アメリカとイギリスで参加している犬種が若干違う。シェルティはマリーレイが飼っていましたが、素晴らしいスキルを持ってましたよ。あれを感動といいます。
ボーダーも見かけることは多いかもしれませんが、なんか日本のボーダーイメージ違うんですよねぇ。帰国した際にもう一回チェックしてみる必要ありますね。
また、日本が海外との意識でかけ離れている点は「清潔感」と「健康面」っでしょうね。これが日本文化だと言っても良いですが、それがマスコミによって上手く犬の方にも伝染させられています。+日本人もその通りだと思っているので、マッチしてるんでしょう。
例えば、イギリスでもソーセージ、チーズなんてのをあげる人は多いですが、日本では見かけませんね。でも、この二つは美味しいからトレーニングとしては、高級おやつとして使われています。また、当然全般的に太った飼い主の方が多いので(日本人がやせすぎという批判をうけそうですが…)犬の健康面も少しだらしない気はしますね。
良く使われているのは、ペディグリーから出ている肉類(おそらく)をペースト状にしたものかな。酢昆布みたいな形状をしてます。それをちぎってトレーニングに使う。とても面白くて、「ちぎる」という表現を使うからちぎり方は人様々ですよね。まるまる酢昆布の状態を半分にちぎってあげる人もいます。トレーニングは反復ですので、そういうことをしているとたちまち犬はぶくぶくと太っていきます。トレーナーはそういうのも見張ってないといけないわけです。ウェイトウォッチャーですね。
参考になるご意見いつも有難う御座います。また宜しくお願いします!
by takuyashimomura (2010-04-17 17:24)
makitintinさん
コメント有難う御座います!
そうですね。日本のしつけトレーニングは基本的に「服従関係」を作ることですので、中々一般的に変わっていくのは難しいですね。
例えば、先日●秒で吠えるのを止めさせるには?という動画・本などを拝見しましたが、基本的にはショックを与えて飼い主がそれを制する事で(ひどく言うと脅迫でしょうか)その問題行動を止めさせていました。そうすれば確かに直ぐに言う事は聞くので、忙しい日本人+人と人の関係も服従である程度成り立っている日本文化という面から見ると受け入れられやすく、アメリカでもこちらがメインなので使いやすいのだと思われます。
実は詳しく勉強してみるとイギリス流と言われるしつけ方法でも、日本では結局服従になる可能性はあります。おやつを使うだけが真のイギリス流ではありません。また、イギリスのトレーナーでも服従トレーニングを使った方が治りが早いので便利だ(実はそのように見えるだけ)と、思っていらっしゃる方もいますね。
とはいえ、日本でトレーニング方法といえばそれですし、僕の様に考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、メジャーにはまだまだ至らない。そう考えれば今の現状は仕方が無いかなと思います。
特にmakitintinさんの飼われている小型犬に対するトレーニングはまだまだ未開発で、服従トレーニングはどちらかというとシェパードやドーベルマン向きに作られていますから、それを家庭犬で応用するのは難しいわけで。
まだまだ、見直しが必要な分野であるという事ですね。新しい考えを帰国の際に上手く浸透できないかと日々考えていますので、また応援宜しくお願いします。
by takuyashimomura (2010-04-17 17:34)
Tony Orchardさん
理想系だね、たっくんの。
観察→推察って難しいね。
人間観察も同じだろうけど。
でも、そこがおもしろいんだよね。
「同じテンション下がってる」って事象だけをとっても。
誰かにフラれたのかもしれないし。
財布を落としたのかもしれない。
はたまた、もとからお金がなくて腹が減ってるのかもしれない。
たっくんの得意分野やろうけど。
犬にヒアリングできたらなお可なのに 笑。
イギリスのムツゴロウさんになってください。
by harukaze (2010-04-17 18:01)
犬の気持ちがわかれば良いな~と思うことが
しばしばあります。
by koma (2010-04-17 22:17)
harukazeさん
コメントいつも有難う御座います。
髪型は少し理想系から遠いですが、なんと言ってもユーモアのあるクラスと子供から大人まで万人にうける離し方というのは目指すところですね。
あ、観察というか推察なんですね。確かに何かを掴みとらなくてはいけないから、推察になりますね。元々推理も好きなので、そういう意味では良い勉強になります。
人間はヒアリングしても誤魔化しますからね。犬は正直でいいですよ。でも、その分自分自身が正直でないと心が読めませんね。頑張ります。
by takuyashimomura (2010-04-17 22:53)
komaさん
コメント有難う御座います。
犬を飼っていらっしゃる方なら、誰しもが「理解できたらなぁ」と思うはず。その割に、日本の飼い主と犬が置かれている現状は悲惨なものです。
そういう状況を作っているのは何か。どうすれば犬の気持ちがわかるか。考えてみると面白いですね。
by takuyashimomura (2010-04-17 22:55)
お元気ですか?
初めてブログのほうにメールしました。
ジャズ母のお手伝いをしてのは私です。
我が家のボーダー君は、年末のお尻の手術以来すっかり老犬になってしまいました。
ただ子供といると若返る!不思議です。
ヨタヨタと歩くボーダー君は、はるぼんが学校から帰宅してくるのが楽しみ・・
はるぼんも迎えてくれるボーダー君に笑顔になる・・
はるぼんはボーダー君に癒されてるんでしょうね。
ボーダー君はどうかわからないけど・・
老犬になればなるほど、犬の気持ちがわかるといいなと思う今日この頃です。
by はるぼんママ (2010-04-17 23:23)
はるぼんママさん
あ、なるほど!コメント有難う御座います。
誰かと思って心配しましたが、これで謎が解けました。
老犬になれば犬も若返り、人間と同じく赤ちゃんっぽくなるので可愛くなります。
僕は老犬の方が精神的に安定していて、それでいて可愛い動きをするので(多分老年のセナの影響が強い)とても気に入っています。
可愛がってあげてください!
by takuyashimomura (2010-04-18 06:28)