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International Agility Festival(国際アジリティ大会) [Dog Training]

昨日はイギリス・ノーサンプトンの少し北で開催されたInternational Agility Festival 国際アジリティ大会を見学してきました。

しばらく崩れていた天気も少しはマシになり、昨日は地場の悪い中でしたが快晴で大会も進行されました。

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おじさんと犬 このエリアには中年の方と小型犬というコンビが多かった

会場はさすがイギリスで、広い敷地(恐らくどこかの貴族の敷地)を借り切って行われ、その中心に10数個のアジリティエリアを設置。その周りに大会関係者や出場者のキャラバンが続々と停まっているという様相です。

早速キャバラン周りを歩いてみるとこんな面白い写真が取れました。

テリトリーを気にしてかガンガン吠えられたので、あまり良い写真ではありませんがダルメシアンがキャラバンに収まっていてとてもユニークな写真です。

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キャラバンに幽閉される犬達 なんとも言えません

アジリティ会場に入ると多数のブースに加え、さすがインターナショナルとだけあって世界各国から選手が来ています。

僕が居た時は丁度ヤングの部。若いハンドラー達が一所懸命に犬を誘導し、ゴールまで共に走り抜けていきます。

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子供と共にジャンプするコリーの先には日本国旗も見える

コース内容は非常に複雑で多岐に渡っている。トニーのドッグトレーニングでしていた練習用のものではなく、180度ターンや犬が自然に次のジャンプに飛んでしまいそうな仕掛けやトラップが至る所に張り巡らされています。

アジリティを見ると何時も馬術の障害競争に似ていると感じてしまいます。そのコースどり、限られたエリアでいかにミスせずに動物を誘導するか。シンプルだけど見ている方も完成された動きを見せられると、素直に感動してしまう。そんな魅力がこういった競技にはあるのです。

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この障害を越えた後は左に急ターン 女の子の動きもかなりアクティブになります

話は変わりますが、イギリス人って結構太っているイメージありませんか?実際の所、田舎に行くほどそういう傾向にあるのですが、スポーツをしている子供達はいたって健康体。とってもスリムで綺麗。でも、以外にママ達は凄かったりもする…。

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この少女は昨年のチャンピオンらしい 完璧な誘導とスピードでした 何より綺麗

犬と楽しめるという事で非常に注目していたアジリティ。その国際大会でやはり頂点まで極める犬とハンドラーは、とても凄いと感じてました。

その中で家庭犬達・そしてオーナーに言える事は、トレーニングをすればこれほど素晴らしいポテンシャル「犬」という動物が持ち合わせているという事。それだけはどんな大会を見ても(ガンドッグにしろショードッグにしろ)いつも感じている事なのです。

また、別の驚きはイギリス人は好んでレスキュードッグをトップドッグに仕上げている気がする。ショーや大会に出る犬はある意味、人間慣れしていない犬のほうがポテンシャルを持っていたりします。その為、一般家庭に馴染まない犬であっても大会に出すと思いも寄らない才能を発揮するをイギリス人はナチュラルに感じ取っているのではないかと思います。

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チェック柄の赤毛の少女 犬とのコンビネーションも可愛らしく素敵でした

アジリティで犬と遊ぶ。

アジリティで犬と目標を見つけて歩んでゆく。

激しすぎるトレーニングには「?」ですが、犬が自然な形で楽しめるこの競技には、これからも注目していくことにします。

犬と共に遊ぶということ ~アジリティで感じることの出来る楽しさと幸せとは~ [Dog Training]

イギリスのドッグトレーニングは、夏になると通常のレッスンからガンドッグトレーニング・アジリティ・オビーディエンス様々な犬と出来るスポーツ競技に移行する事がある。

それは残念ながら、この国では今この季節でしか出来ない事が山ほどあるから。イギリスの夏は非常に短く、また晴天ともなれば犬好きだけに留まらず多くの人々がこぞって外へ遊びにいくようなものです。

スコットランドなど北に上がると、その様子はより顕著に現れシューティングのシーズンや遊べる時期についても限りが出てくる。すなわちイギリスではスキルのあるドッグトレーナーはこの時期色々な事に追われ、忙しい毎日を送っているとも言えるでしょう。

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アジリティトレーニングをする時のパドックの様子

アジリティ」というスポーツは僕が幼少期の頃から興味があって、いずれ「動物と何かスポーツしたいなぁ」と考えていた時に調べていた事を覚えています。

結局は「乗馬」という幾分メジャーな(アジリティに比べ)スポーツを選んだけれども、ペット先進国イギリスでこのアジリティを生で体験できたのは良い経験になりました。

この競技、犬好きの方ならご存知だと思いますが、トンネルをくぐったり、並べられたポールを左右に駆け抜けたり、またハードルをジャンプしたり狭い幅の高所を歩かせたりと見所がたくさんです。結果的にはミスすることなくタイムで決める競技ですが、それ以上に僕が感じた魅力は、この競技は「ペットと行うには最適のトレーニングかも知れない」ということでした。

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トンネルをくぐる際、反対方向からサポートしてやることで犬の恐怖心を取り除き慣れさせる

「オビーディエンス(服従)」「ドッグダンス」といった競技には、実は犬は納得してレッスンできてないんじゃないかと思う所が多々あるような気がします。それは、やはり人間主体であるということと、結局は犬自身が本来したくないことをさせている様な雰囲気があるからです。

勿論、乗馬のドレッサージュ(馬場馬術)の様にプロ級になれば馬も犬も楽しんでいるように見えないでもない。でも、馬も犬も何かその先に得られる報酬がないとその様な芸当を好き好んでやるかというとそうじゃない気がしてました

アジリティには様々なセクションがあって、それこそ犬が怖がりそうな高所渡り。狭い場所でのダウンステイ。また、先の見えないトンネルをくぐる。などありますが、慣れてくると犬が楽しんでいるように見えました。勿論、最初はリワードなしではトレーニングできませんが、犬が数々のセクションを理解してくれると自ら次々とこなしていっている。中には飼い主がそれをしなくても良いといっているのに、先走ってそのセクションに突入してしまう犬もいたりして

この違いは非常に大きいと思います。犬が楽しそうに幸せそうに自ら動いている。だから、見ているほうも楽しくなるし凄いなぁと思えるスポーツだと感じました。

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ハードルを飛ぶシュナウザーとその飼い主

また、アジリティは普段のトレーニングと違った魅力があります。

それは成功と失敗が非常に明確であるということ。

例えば、ハードルをジャンプした犬がいてポールを落としてしまった。犬自身がそれは駄目だとわかる要素がobviously(かなり明確に)判断できます。そういう時はリワードを与えなければ良い。反対にしっかり飛べた時は、しっかりと褒めてあげると良い

犬がわかりやすいというより、人が理解しやすいのかも知れませんトレーニングにおいて、飼い主自身が1つのルールにのっとり白黒をつけることはとてもとても大切な要素の1つなのです。

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高所系のセクションには飼い主の協力が絶対必要 後押しはトレーニングにおいて強力

写真では上手く写っていませんが、実際飼い主達も非常に楽しそうにレッスンを受けていました。これが犬にとって何処まで素晴らしい効果を与えるか。いつもブログを見てくださっている方ならご理解頂けると思います。

ポジティブなトレーニングで、ポジティブに犬と飼い主の絆を作っていく。今回もまた面白い気付きを得た気がします。

York遠征日記 その1 ~ガンドッグ トレーナーとして学んだ事~ [Dog Training]

先週末はMotoGP。寒くて寒くて、何月なんだと思う程冬の様なシルバーストーンでした。そして、今週はウインブルドン。今僕の後ろで(TVです)、Andy Murrayが打ち合っていますが、うだる様な熱さです今日は。

今日も車でTonyのドッグトレーニングに行きましたが、いつオーバーヒートしてもおかしくない様子。日差しが強いイギリスにはサングラスや帽子などの日除けグッズは必需品です。

そんな良い天候に恵まれた先週のYork遠征。Walesで逢う事が出来た「まいてぃさん」と「Phillipa Williams」を訪ねに、片道4時間の道を経て無事たどり着く事が出来ました。

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これがこの人の力 多頭飼いならではの魅力 そして、この団結力は凄まじいもの

当初、彼女がガンドッグトレーナーとしてのみ活躍しているのかと考えていました。数頭のブリーディングはしているとは聞いていましたが、何の何の。トレーナー、ボーディングケネル(犬の預かりホテルの様なもの)、ブリーダーとしての様々な側面を生で拝見し、彼女がガンドッグのプロである事をこの目で確かめる事が出来ました。

所謂オフィスワークを退いてからのここ2年で、それこそ様々なドッグトレーナーに日英通して出逢う事が出来ました。イギリスに来てからも、10人程違うトレーナーを見てきたし、またタイプも各々違ってそれぞれから勉強できる所があります。

いつも感じることは、彼らの自信は日々の犬との関わり方から見て取れる事。そして、トレーナーとして信頼できる人というのは、その経験値の高さと彼らの犬を見れば一発でわかるという事でした。

ウェールズでは足を怪我していた彼女でしたが、今回は先陣を切って近所のフットパスへ共に散歩に連れて行ってくれました。ガンドッグをトレーニングしながら、これだけ多くの犬達を同時に散歩に連れて行く。それだけでも、背中から訴える力が他のトレーナーとは比べ物にならないものがあります

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野生動物が入らないようにする入口の隙間を名前が呼ばれる順番にジャンプする犬達

Phillipaのドッグトレーニングは彼女自身が言うとおり、80%のリワードと20%の叱り何事もバランスだという彼女の姿が今でも目に浮かびます。APDTの様なリワード主体でのトレーニングでは、ガンドッグとして働かせる際に様々な支障が出てくる事が良く解ります

その為、一般的には賛否両論ある「叱る」「怒る」といった行動ですが、彼女の犬を見ているとそれが正しく働いているのが良く解ります。それが、一般的な飼い主・またペットとしての犬種に真似できるものなのかは無視すると、驚くほど彼女のドッグトレーニングは完璧に近いように感じました

上記写真の犬達。自分の名前が何で、いつジャンプするべきかを心得ている。それだけでなく、ご飯を食べる時、散歩に行く時、何をする時でも常に自分の順番をしっかり待っている。それがガンドッグの基礎である事は言うまでもありません

自由は私自身が与える」というPhillipaのフィロソフィーは、PackやGroupで行動する集団の犬達のケースから考えると素晴らしいものでした。彼ら(犬達)自身にどう動けば良いのか、という明確な指針や方法があって、それに基づいて反応している。その様子が随所に見て取れるからです。

悪い事をしている犬(例えば勝手に何処かに行く、許されない行動をしているなど)は、それに自分自身で気付きながらその行動を行っている。そうした際には、飼い主が「名前」を呼ぶだけでしっかりコントロールすることが出来る。なぜなら、その犬自身が集団生活の中でのフィロソフィーを持っているからです

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トレーナーでありオーナーでもある主人に集中する犬達

今回はガンドッグのポテンシャルの高さを見せつけられました。また、あの動きが日本でもし出来るようなら、彼女はたちまち日本の犬社会を変える力を持っているでしょう。

そんな彼女の犬への接し方・飼い方・トレーニングの仕方に感嘆させられる理由は、彼女自身がそのトレーニング方法について試行錯誤した様子が良く見えるからです。先述したように、この世には多くのトレーナーが居て、多くの犬の有資格者が存在します。しかし、その内の半分は犬に実際ほとんど触れていないような人たちばかりです。彼女の犬達は経験と実績が普段の犬との暮し方に良く見て取れ、そして犬達も彼女のやり方に従い対応しているのです。

目の前で動く彼女とその犬達の姿を見る度に、ガンドッグとして素晴らしい働きをしているなと感心させられました。

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大好きなスティーブン・ヒューニックの絵の様です

・トレーナーはそれぞれの犬種について、知識や経験を得ていなければならない。
・トレーナーはそれぞれの犬達について、個別に理解しようとしなければならない。
・トレーナーは唯の博士号取得者でも、資格保持者でもなく、創造力のあるアーティストでなければならない。

そして、最終的に左右するのはその人自身の「人間力」であるということを忘れてはならない。

子供を見れば親の様子がわかる様に。犬の行動を見れば飼い主の行動が大体想像できる。

素敵な犬を飼える様な自分」への挑戦を、今一度現実にしてみせたいと思います。

ドッグトレーニングクラスの意義について [Dog Training]

今日はいつもどおりTonyのドッグトレーニングクラスに行ってきました。

でも、いつもと違うのは、彼らが現在預かっているJennyのお母さんのキャバリアをトレーニングクラスに参加させたと言う事。そして、そのハンドラーを僕自身が担当したということです。

いつもは端から見ながら、Tonyがどの様に優れているのか、またその教え方について研究していたりします。細かいアドバイスが上手かったり、ユーモアを常に持っていたり、はたまた全体をまとめるのが上手かったりとコレはこれで参考になる事ばかりです。

そして、今日は実際にお客様として参加したことTonyの犬をトレーニングするという使命とプレッシャーを味わった事。これもまた、良い経験になりました。

外から見てると簡単そうなトレーニングもやはり実践となると単純ですが非常に難しい。加えて、今日初めてあった犬をその場でトレーニングしろと言われても…。という気にはなりますが、これはいつもブルークロスでしている事と同じなのであまり変わりません

兎に角、感じたことを書き出してみようと思い今日は筆を取りました。

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レイラとライノスのゴールデンコンビ

集団での飼い主参加型のドッグトレーニングに参加する事の意義を書き出したいと思います。

それは…
・その時間中、他の人達と逢えるという環境がとても良い。 ・トレーニングや接し方に関しての正確なアドバイスを、他人(プロ)からもらえるのが良い。 ・家で独りでは試せない、他の人・犬と一緒にするという環境がとても良い。 ・自分の犬を他の犬と比較したりできて、トレーニングやより良い接し方へのモチベーションに繋がって良い。

対して、トレーニングクラスに参加することの難しさを書き出します。

・犬自身のトレーニングに対しての集中力の継続 ・フードへのモチベーションが徐々に低下すること ・他の犬からの色々な妨害が入るということ ・犬同士の目が合ったりした時の対処法 ・そういった様々な状況を自分自身でコントロールしながら、しかも楽しみながら継続する事 ・リラックスしながらトレーニングする事

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キャバリアのデイジー

ドッグトレーニングには忍耐力と根気が要ります。それはよく今回の件でわかりました。

でも、日本人はここら辺りはお茶の子さいさいなはず。(と、勝手に思ってます。)

最後には必ず良い結果がついてくると信じて(そういう例はたくさん見ていますので皆さん日々のトレーニング共に頑張りましょう!

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一列に並んできれいなトレーニング風景

明日は一路ヨークまで(片道3時間半の4時起き…ドッグトレーニングセッションに行ってきます。

さらに磨きをかけて、皆様の役に立てればと思います。

犬の技のバラエティを増やす ~Dog Tricks~ [Dog Training]

家庭犬(ペット)との生活スタイルについて、イギリスに来てからずっと考えています。

何が日本と違うのか。何が明確に良いのか。日本のペット環境を変える為、そんな事を考える日々です。

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Dog Tricksとトリートバッグ

安売りの本屋で見つけたこんな本。今はこれを読んで少し勉強しています。

中には40ものTrick(技)が書いてあり、そのトレーニング方法を写真と共に紹介してくれています。

それに加えてやっと購入した必需品。それがこのトリートバッグです。今まで、ビニール袋とか巾着袋に入れていた時代から漸く脱出する事が出来ました。これがあるのと無いのとでは、便利さに格段に差が出ます

日本で馴染みの深い訓練というスタイルのトレーニングでは、こういったグッズは必要ないと思います。

それは犬へのオビーディエンス(服従)がメインであって、そこには楽しさといったものは極力省かれているように感じるからです。

イギリス人たちのトレーニングはバラエティに満ちていて、彼らは自分の犬と遊んでいるようにそれを行っていきます。(芸を見せたくてしているというわけでもないのが味噌)ですから、トレーニングも遊びの一貫、そんな中で「」を深めていくのです。

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ポーズを取ってくれたスパニエル

この考え方が今の日本には適しているように思えますペット文化が根付いてきて、「ウチの犬をどうにか」というだけでなく(未だに多いけれども)、よりポジティブに「我が家のペットと遊びたい」という雰囲気が増えているように感じるのです

犬は犬だけれども、彼らのポテンシャルを大切にするようになると、より一層楽しんでペットと暮らす事が出来ると思います。

明日は、ラリーオーという服従訓練をラリー形式にした遊びのジャッジ講習会犬を服従させるという事だけに留まらず、それを飼い主との遊びに変えてしまうという発想の審査をする為の講習です。

イギリスで出来るだけ多くのドッグスペシャリストに逢って、様々なことを吸収して帰国したいと思います。

現代の犬のペット文化に、どんなドッグトレーニングが向いているのか [Dog Training]

本日のイギリスは、英国らしく雨模様でした。
その為、家に保存してあるドッグトレーニングのDVDをもう一度見直す事にしました。

初めてイギリスに来て、チャリティ団体から買ったDVDにJohn Fisher's wayというものがあります。

彼は英国でも一番メジャーである、所謂「おやつを使ったトレーニング」の開発者でもあり、APDTという最大規模のドッグトレーニングクラブの創設者でもあります。
そのDVDを観ながら、とてもシンプルで且つ大切な事に気づきました

もしかしたら、これが僕のずっと探していた答えの結論なのかも知れない。その様に素直に感じたのです。

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オスカーというオックスフォードに住んでいた時の近所の犬

日本で見た一般的なドッグトレーニング。また、アメリカで行われている一般的なドッグトレーニング。

双方に共通する点は、そのアプローチ方法が人が犬を何とかするというものだということです

ドッグトレーニングが開発される背景に、人間社会に適する様に「人が犬を何とかしたい」という想いが先行していると強く感じられるのです

対して、イギリスのドッグトレーニングはどうか。一概に全てが同じというわけではありませんが、アプローチ方法として「犬からサインを読み取り、人間社会に適する様にしたい」という想いが基本的に流れているのだと思うのです

ドッグトレーニングという1つの言葉に関しても、基本的な概念が違う為にその方向性が変わっているのではないかと、その様に感じました。

「犬の問題行動の解決」といった同じ目的に対して、違うルートを通って人間は挑戦してきたのだと思います

それが、現在受け継がれている様々なドッグトレーニングの形となってこの世に存在しているのです

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秋田犬オーキーとティーゼルに囲まれて

現代の犬のペット文化。そして、消費者として飼い主は何を求めているのか
否、犬がペットとして、また人間が飼い主として幸せそうにしているのはどちらか

それは明白に一般的なイギリスでのドッグトレーニングだと思うのです。あくまで主観です。

彼らは、「犬を何とかしたい」と考えているだけでなく、「犬が大好きな故に、その犬の意思や想いを聞こう」という根本的な概念を持っている。それが、イギリスの犬に対するペット文化が世界に際立ち素晴らしい要因なのだと、今日改めて悟りました。

という事は、コレは犬や環境の問題ではなく、一個人の頭の中での想い・概念・構想といったものが、犬の生活に強く反映しているのではないかと言う事

ドッグトレーニング・しつけ・服従訓練・社会化・ペットとしての犬。これらのイメージや考え方をガラリと変えられれば、日本の犬文化も大きく変わるのではないでしょうか。

そんな風に考えていた今日の昼下がり。まずは、自分自身がそういう想いを持ち続けることが大切。

イリギスのドッグトレーニング バラエティの豊かさ [Dog Training]

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先日紹介したチッピングノートンの丘から見える景色 最近のお気に入り

最近の火曜日は、普段のブルークロスの犬達にも使えるトレーニングの技術習得としてTony Orchardのもとへレッスン見学に行く事にしています。

週4回行う午前のクラスは、初級・中級・上級と分かれ10時から1時間ずらして行われますが、後になればなるほどレベルが上がって行くので見ていてとても面白いです。

中でも、同じ内容のコマンド(例えばsitならsit。recallならrecall。)でも、初級~上級に行くにしたがってレベルを変えているのが良く解ります。

唯単に、sitさせている長さを変えるというだけでなく、ベテラントレーナーならではの面白さを加えながら、彼はトレーニング内容を飽きさせないように自己開発していると感じるのです。

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写真のまん中あたりにある茶色の点々が牛達です

先日、記述したとおりドッグトレーニング自体は基本の連続であり、また基本がしっかり出来ていてそれをマスターしている犬が家庭犬としては素晴らしい犬なのだという事が解ります。

アジリティやドッグダンスが出来ても、落ち着きのない犬は落ち着きがないですし、才能や能力だけでそれらの競技をクリアーする犬も良くいて、大会とかでモラルがない犬と飼い主も良く見受けられます。(それはそれで良いのかも知れませんが)

sit stand down。この3点セットがいつ何処でどの状況でも出来る犬というのは大抵賢くみえます。ドッグトレーニングという物は、それを色んな状況や環境にあえてセットしてあげて犬と飼い主に教えていく。そんなものなのかなぁと率直に感じました。

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今日は飼い主に良く叱られたなぁと思うゴールデンレトリバー

ですので、良く出来るトレーナーというのは細かいアドバイスに加えて、トレーニングのバラエティが豊かで飽きない。彼らはレベルに合わせて常に新しいトレーニング手法で対応していると考えられます。

反対に、出来ないトレーナーというのは実際に自分が習った手法でしか相手に教えられない事。また、一方通行のコミュニケーションに拘り、トレーニングというよりは命令・服従といった事しか出来ない人だとも言えます。

イギリスにもこの種のトレーナーはたくさんいて、特に教会や町役所みたいな所で行っている週1のレッスンなどは、ドッグトレーニングを片手間の様にしている方が多く(勿論、人・場所によって違いはあります)深く犬のことを聞いても答えてくれない。自分の言葉ではなく、先生が言ってた、この方法はこうだからという内容の回答しかしてくれないと決まっています。

ただ、日本と違って1回10£とかで教えてくれるわけですから安くて便利ですよね。ここが日本との違いなのかも知れません。

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いつまでも待つわよの姿勢の黒ラブ

犬の飼い主としては、やはりいつも犬に触れているトレーナーに教えて欲しいものですよね。また、僕個人の意見としては自分の犬のトレーニングをしているだけでなく、積極的に数多くの犬種・犬を経験している人が理想的だと思います。それは自分がほぼ毎日違う犬に触れているから言える根拠ですが、やはり大型・小型問わず多くの事例を見ている先生がどの様な状況においても(特に家庭犬)強いということなのだと思うからです。


それでは、今日のトレーニングポイントを2点


①トレーニングを通して犬に自信をつけさせてあげること。

②トレーニングはリラックスして、シンプルに行うこと。 

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たくさんの犬が横並びになると壮観です 綺麗な隊列が素敵

①訓練のイメージで行くと、犬の自信を損なう恐れがあります。服従や飼い主と犬との関係といったモノは大切ですが、訓練の流れで犬が「トレーニングしたくない」と思ってしまっては身も蓋もありません。

勉強しなさい!勉強しなさい!」と、毎日五月蝿い親がつく子ほど勉強しないのと同じです。(それでも勉強する子供や犬は偉いと思います。僕は嫌です。この性格がゴールデンレトリバーっぽいと思うのです。)

②ビシビシの教育ママではイケません。何度も申し上げている通り、「名前→コマンド」で良いのです。

sitを連発する。Pay Attention Please!という。はたまた、何で出来ないかについてあれやこれや理由を犬に話している飼い主というのは論外です。トレーニングは厳しいものですが、リラックスしてシンプルに。コレだけでも犬は大きく変わります。

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ブルーベルの時に出逢った飼い主と素晴らしい絆を持った犬達

それにしても暖かく過ごしやすい環境になってきました。これからのイギリスはとても楽しみです。

お時間あれば皆さん、是非いらっしゃって下さい。

コレだけは覚えておいてください! (イギリス流ドッグトレーニング) [Dog Training]

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英国の青空の下でドッグトレーニング

今日は前回同様、至極簡単な内容にしたいと思います。
いつもどうやら書きたいことが後から出てきて、文章が脱線してしまう事が多いようです。すみません。)

コレだけは覚えておいてください!シリーズと言うことで、テストに出るわけではないですが、必ず覚えてほしい内容を書くことにしました。

ドッグトレーニングは奥が深く、犬という動物もまた簡単な生き物ではありませんが、今日はどの犬に対しても使える事実についてお伝えします。


コレだけは覚えておいてください!

犬に指示を出したい時には…。

①犬の名前を呼ぶ。
②コマンドを送る。

コレだけです。

逆に言うとこれ以上の事はしないで下さい。犬が理解できませんので結構です。

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午前中に開かれたドッグトレーニングクラス

[簡単な解説]※既にシンプルではありませんね。

①犬の名前を呼ぶ。は、どういった意味があるのでしょう?正解は「テンションのひきつけ」です。

子供にして欲しい事を頼む時、相手に何かを伝える時、その前にするのは「話を聞くような状態にする」という事です。TVゲームに釘付けになっている子供、ビール片手に野球観戦を観ている旦那。何を言ってもこの状態では右から左です。犬も全く同じ。臭いをかいでいたり、他の犬や人に愛想を振りまいている時は右から左。まずは、自分の犬のテンションを自分に持ってきましょう。

②そして、コマンドを送る。コレは「お座り」「待て」「伏せ」などの指示です。

名前を呼ばれ飼い主に目がいっている犬は、静かにコマンドをささやくだけで結構です。もしくは、ハンドシグナルだけでもその犬がコマンドを覚えていればその通り動いてくれます


如何でしたでしょうか?シンプルイズベストです。そして、大切な事はハスキーだろうがレトリバーだろうがハウンドだろうがどんな犬種にも共通している事です。雄雌問わず、年齢問わず同じです

出来ていそうで意外に出来ていないのが現実です今日から早速意識してみましょう

PS ドッグトレーナーが犬を上手く操れるのは、彼らが肝を抑えているからです。決して神様やマジシャンではなく、しっかりとした基本がトリックや素敵なマジックの様に見えるのです。

日本人が苦手とするGAP [Dog Training]

日本ではギャップでしょうか?服でも有名。ちなみにイギリスでは「ガップ!」です。

昨日は週1のトニーのパピークラスに行ってきました。また、色々と考えさせられたわけですが…。

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パピークラスの様子です

それで今朝ベッドから目覚めた時にふと思い出したことがあり、大急ぎでメモを取りました。(寝起きは良く、いつもベッド横にノートパッドがあります。)

それは「日本人が苦手とするGAP」という内容です。

基本的に言語的にも、感情の表現といった面でも、日本人というのは「ぬーん」としているというか、あまり感情を表に出さない美学がありますよね。勿論、日本人として生まれた僕はそれに慣れていて、静かであまり波風立たない生き方にも素晴らしさがあると考えるわけですが、これが実は犬のトレーニングにとっては少し壁になったりするのではないかと考えています。(特に対パピー

また、先日はオックスフォードの国際交流でであった人たちに言われました。「日本人は何故、I love youと家族にさえ伝えないのか?」といった内容。確かに、こちらの方は日本人から見ると過度なほど愛情表現をするしそれが当たり前のようです。すると日本人の「言わなくても解る」というスタンスは全く通じない。

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私はもうおじさん、パピーじゃないです だから落ち着いてます

それではそろそろ「犬の話」。

パピーのトレーニングには、温暖・抑揚・表現のGAPが必要とされます。なぜならパピーに解りやすく「それは良いことなんだよ」「それは悪い事なんだよ」と伝える必要があるからです。

間違っても「お座り」と指示を出し、小さな声で「よし…。」なんて方法では最初は上手くいきません。勿論、トレーニングやコマンドに慣れてくればそういった方向性が必要になります。その点、イギリス人は感情を表現したがるので下手なんだろうなと思いますが。

日本で感情を表現できるように育てられた僕は(そう自分では考えてます)日本社会では良く「うるさい」とか「KY」とか「いつも笑ってる」とか「何がおかしいの」なんて言われたもので、中々苦労した面もありましたが(勿論いい面もある特別犬との関係ではこれがに働いているのではないかと考えています

また、どちらかの文献で「日本社会は服従という関係によって成り立っている」という内容を読みました。その為、犬との関係においても服従を求めていたようですが、最近の時勢は変わりつつある。ペットと仲良くしたいと思う人とペットを私の言う事を聞かせて服従させたいという人とでは、明らかに前者が多い時代です

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シェルティー 小さくても立派な大人です

ドッグトレーニングもその時代の流れにおいて、変化が求められているといえるでしょう。昔ながらでは受け入れられなくなる時代が来ると思います。

そして、ペットのしつけ・トレーニングに対して「攻撃的な服従訓練はしたくない」という人がその多くを占めるようになりました。

GAPが与える恩恵はその点においても有効に働きます。声のテンション、表現の仕方をわかりやすくすることで「犬でも解る」ように良いと悪いの区別をつけることが出来るからです。

絆が出来た犬と飼い主には、体罰や服従など必要はありません。(こういった現象は、実際にイギリスで見ることが出来ます。)テンションのGAPのみで犬が犬自身で「良い」「悪い」を区別できるようになる。それこそ日本人と犬が求めている姿ではないでしょうか。少ない動きで、犬に理解させる。これは素敵な絆に欠かせない事です。

また、高いテンションと低いテンションのGAPがあるからこそ、いざ理解させたい時に声や表現だけで全てを犬に伝える事が出来ます。これは非常に大切ですよね。叱る時も褒めるときも一緒のテンションでは犬は何が良くて悪いのか解らない。でも、反対にしてあげれば明確にその違いについて知る事が出来ます。

GAPがある人というのは人間的魅力があるとも良く言われますが、まさにそれは「飼い主」という犬にとっての人間であってもぴったり当てはまるわけです。

犬と接しながら自分の人間的魅力が磨かれるというのは、何ともお得な話ではないでしょうか。


日本人が苦手とするGAP。でも、もしかしたら(と、言いますか恐らく)犬を組織的に動かそうとした時には日本式の方が生産性が高くなるかも知れませんね

日本人の文化とイギリス人の文化の違いがペット環境に影響しているのは言うまでもありません。

Rally-O Level 2 Dog Training [Dog Training]

ラリーオビーディエンスのレベル2の講座に行ってきました。
相変らず最近は天気が良く、今日なんて転寝してしまいそうな程暖かかったです。
(春だというのに服を着すぎているかもしれません)

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ラリーオビーディエンス(通称ラリーオー)参加者とその犬達

素晴らしい天候の中、朝の9時半から夕方4時までみっちりと講習
参加者も最後のテストに向けて張り切っていました。

前回のレベル1と違うのは指示されるコマンドの難易度が上がっている事。(ラリーオビーディエンスは進路上に指示された看板に従い、飼い主が犬に指示を出しそれをクリアしていくというラリーとオビーディエンスを合体させた一種の競技です)それから、大切な事はオフリードでテストが行われるということ。

つまり、日本で一般的に見られるオフリードにしたら何処かへ行ってしまったということでは、競技どころか危険きわまりありません。選ばれた有志達の戦い、それがラリーオビーディエンスレベル2なのです。(とはいえ、参加する犬はほとんど家庭犬である)

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レベル2からはこういったアジリティのジャンプの様な物も出てくる

すなわち家庭犬として飼いながら、その犬と楽しめるスポーツ。かつ、そのトレーニングが普段の生活でも活かせる様に設計されています。

例えば上の写真、アジリティの様な(アジリティはもっと高いでしょうけれど)ジャンプするエリアなどもあります。オビーディエンス(服従)が出来ている犬であれば、練習すればハンドシグナルと声だけ(ジャンプ!オーバ!などなど)で、ぴょんぴょん飛んでいました。面白いですね。

また、下の写真の様なトラップも出てきます。

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トラップエリア ここを犬の集中を引きながら、八の字に往復しなければならない

指示板には「8の字に旋回せよ」の文字。飼い主はここの手前で一端犬の集中力を確認して挑みます。というのも、このエリアには犬にとって最大に魅力的な「フード」がお皿の中に入っているからです。
(下写真参照)

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単にドッグフードを入れただけのようですが…。犬の嗅覚をなめてはいけません

全部で15から20の指示に従ってゴール。最大200点から、ミスしたポイントと内容を引き算していく形で採点されます。

午前・午後の部ともに、普段ブルークロスでお世話になっているJulieからボーダーコリー犬のHurryを借りて挑みましたが、中々面白いです。飼い犬ではない犬とオビーディエンスをするのはかなり難しいコマンドも微妙なテンションの違いで、反応が変わってくるので非常に参考になりました

特にラリーオーでは問題はありませんでしたが、Hurryを自由自在に操るJulieを見て「それさせて下さい!」とお願いしてみました。それというのは「Left」「Right」で犬が指示した方向へくるっと回るというトリック。かなり格好いいです。自分の犬が飼えたら是非教えてみたいトリックだと思いました。

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Heel WorkするHurryとJulie

ところが、男と女の声の違い(Julieと僕)イギリス人と日本人の違い(特にRとLの発音)テンションの違い(声のトーンなど)などで、一向に理解してくれません。それが、普段飼っている人と場当たり的にその犬を指示する時の違いです

微妙な動き(例えば肩、目、顔、手)を犬は見逃しません。右に回って欲しいのに、何故か顔を押さえる「ごめんね」ポーズをしてました。「こんな事まで教えているのかJulie」と逆に感心しましたが、どうやら僕に渡す手前にそのトレーニングをしたから、それをするとおやつがもらえると勘違いしたそう

悔しいので出来るまでやってやろうと思って、またJulieに返してどう指示を出しているか研究してみました。(飼い主のBehaviouringです)
すると、Julieは「Right」と指示をする前に小さく「ウー」と言っていることが解りました。もしくは、Hurryと呼ぶ延長線上で「イー」という小さい音が入ります

そうして、もう一度渡してもらってから実践すると見事に左右に回ってくれました。やっぱりボーダーコリーは賢い。(と、考えられる。)

DSCN5441.JPG
ラリーだよ全員集合の様子

トレーニング方法は様々でも、犬はその飼い主からしか多くを学べません。それ程、普段のトレーニングの仕方・生活習慣というのは大切で、犬はそれにかなり影響されて一生を過ごします。Hurryの「Left」「Right」トレーニングは声のみのハンドシグナルなしでしたから、他人がそれを操るには少しコツが要ります。その様に犬の行動というのは習慣で支配されているもので、又飼い主から常に良い面も悪い面も学んでいるという事がいえるでしょう。

改めて勉強になりました。それにしても天気の良い日の外セッションは気持ちよく楽しいです。これこそイングランドだなぁと実感できる一日でした。
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