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気になる3頭の犬達 ~イギリスでさえ良くない絆も数多い~ [Dog Behaviouring]

ここ2ヶ月程、火曜日・水曜日とドッグトレーニングのビギナークラスに毎週参加して来ました。

ジェニーのおばさんの犬、デイジーなどとトレーニング参加した事も良い思い出ですが、今週がビギナークラスを受けている彼らにとって最終週となっていました。

来週からはアジリティコースの始まりです。それもとても楽しみでもあります。

今朝、訪問してみるとビギナークラスの卒業日なのに、どうしても気になる3頭がいました。彼らは10週前後に渡るトレーニング教室に通いましたが、僕からみてまだまだ課題の残る終わり方だったと思います。

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60前後のおばさんと通っていたSummy 黒のラブラドール

まずは一頭目、黒ラブのSummyです。黒ラブはトニーの犬を始めとして、多くのガンドッグワークで拝見してきましたが、その能力はずば抜けたものを持っています。コントロールが出来た時、絆が上手く繋がった時、他の血統では出し辛い素晴らしいコンビネーションを持つことが可能です。

ところがこのSummy、それとは対照的な雄の2歳でしたおばさんはリードを引き回される。彼はそれを気にしていない。彼自身、犬よりも人に対する関心が高く、人が前を通ると触ってもらいたくて仕方ない様子でした。

いつも見ている完成した黒ラブに対して、あまりに反対過ぎてびっくりしました。日本ではこの形が一般的なのかもと考えるとぞーっと…してしまいかねません。

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二人がかりでトレーニングに参加する シェパードのVera

二頭目はジャーマン・シェパードのVeraです。彼女はまだ9ヶ月と若いですが、所謂「吠え癖」が未だに止まらず他の犬を診るたびに吠え続けています

原因は恐怖といった所でしょうか。外の物音、犬の動きに対してかなり過敏に反応し、遠ざけようとして吠えるというパターンの様に見受けられました。この様になると、いくら飼い主が制御できようとも、多くの人・他の犬達が近寄りたがらなくなるので、犬を飼う側・また飼われている犬の立場としてみても辛い現実が待ち受けます

万が一、捨てられてセンターにでも預けられる事になれば、かなり危ないポジションにいる犬だと直感的に感じました。こういった事例を多く診てきたし、それを変化させるには相当な努力が必要だと自分自身実感しているからです

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飼い主との信頼関係がなく好き勝手動くコリー犬 Lizzie

3頭目は、ボーダーコリーのLizzieです。コリー犬は牧羊犬として良く知られていますが、その為や配合の問題から頭に障害を持って生まれる事も多いようです。ただ、彼ら自信の能力は素晴らしく高く、Heelworkや飼い主と一緒に行う競技において素晴らしい力を発揮するポテンシャルを持っています。仕事をする名残や血統による特性が今も根強く彼らの中に流れているのです。

一言でいうとLizzieは飼い主との信頼関係がありません。これはトレーニングの現場を見ると一目瞭然です。

余所見をして、全く集中していない仕方ないから聞いてやるという感じトレーニングを明らかに楽しんでいない様子が見えてきます。

トニーも楽しむように、何度も何度もデモンストレーションをしますが彼らがLizzieが出来ない事を楽しんでいる様子で進歩がありません怒られるのが好きなのかなと思う飼い主達でした。

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晴れた日のトレーニングは気持ちが良いです

最後の一例は多少そうですが、何よりの問題はトレーニングに通っている彼らの様子を見る限り、それ程駄目犬にしている飼い主達ではないように思えたのです

少なくともトレーニングには集中しているし、改善したいという気持ちを持ってはいる。但し、恐らくトレーニングが行われていない彼らの家の中、また彼らが愛犬達と過ごす時間の使い方に大きな問題があると考えられるのです

どうしても気になって、シェパードのオーナーと話をしました。遺伝的な障害かもしれませんが、彼らがVeraを諦めることはない様子でした。但し、その問題の深さについての認知は浅いように感じました自分達の犬がどれ程、他人や他の犬達に迷惑をかけてしまう可能性があるかという発想に関しては、ほぼ持ち合わせていないように感じられたのです。

犬をアクセサリーの様に可愛がってもよし。また番犬にしてもよし。但し、これからの犬達は多くの機会で都会に住まねばならず、そしてそういった人々が交錯する人間社会の中でペットとして生きていくことを余儀なくされているのです。

そういった時代に対応するには、やはり人間(飼い主)自身が「犬」「ペット」という物を、どれ程理解するかが大きなキーになると思います。その手助けを始めていくつもりです。
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ボーダーママ

大変、関心ある内容でした。

うちには例に上がった3匹の犬種のうち、2頭、黒ラブとボーダーがいます。

黒ラブはまさにサミーです(笑)
散歩時、ヒールで歩きはするものの、人や犬に出くわすやいなや、遊びたがって、引っ張りまくりです。
30kgのラブに全力で引っ張られると、私では太刀打ちできません。
ヒール歩行ができなかった頃(日本在住時)数回、ジュピターに引っ張られて転倒しています。
彼女には特にトレーニングをしていなかったので、仕方ないのですが、まさにトレーニングの入っていない、典型的なただのかわいがられてる家庭犬だと思います。
実際、ものすごく可愛くて穏やかな犬です。

シリウスはトレーニングが入っているので、よっぽどでない限り、リードなしであっても、私の指示を無視して脱走することはないです。
アジもオビも優秀ですが、ダンスだけは、やる気が出ずに、お手上げ状態ですが・・・(ため息)

シリウスとジュピターを見ていると、いかにトレーニングの入った犬が、飼い主に対して集中できているか、目に見えて違いがわかります。


最後にシェパードですが、現在、燐家の大型シェパードで頭を抱えています。

庭のフェンスは180cmなので、まぁ、実際侵入してくることはなくなりましたが(フェンスがなかった頃は侵入してきて、私達夫婦に吠えかかってきた。燐家に怒鳴って知らせてもお詫びはなし。)

ただ、私達が庭で遊んでいる間中、ずっと吠えていますし、庭に出ていたもんなら、フェンス越しに吠えかかって来ます。(危険)

昨日はラブの散歩の帰り、1ブロック先の道で我が家の前の道を見たら、なんと、そのシェパードが道をウロウロして、近所の庭に勝手に侵入しているところでした。

もちろん、飼い主はいません。
脱走です。


それでなくても、攻撃的な犬なので、彼が立ち去るまで、ずっと、私とラブは遠方から様子をうかがい、炎天下の中、待つ事になってしまいました。


万が一、私が咬まれれば、まだいいですが、私の犬達が咬まれたら、大型のシェパードにはかないません。

かばおうにも、ラブもボーダーも私が抱き上げるには重すぎる。


アニマルコントロールに通報しようかと思いましたが、近所ともめ事を起こしたくない、という旦那の意見で現在見合わせているところです。

燐家はフェンスがありません。
なので、シェパードをお手洗いに放牧中、飼い主はいつも家の中にいるため、シェパードが脱走するのは容易いことなんですよね・・・・・


散歩にも一切連れていかず、遊んでもやらず、いつも6畳程度のサンルームに監禁状態です。
お手洗いに出してやるのも、1日2~3回。

飼い主の監視なしでの、放牧です。


一回、フェンス越しにシリウスと吠え合いになり、(シリウスも若いオスのボーダーです。売られてケンカは買ってしまうことがあります。私がいれば、コマンドで呼び戻して無視させてますが、うっかり、手遅れになってしまったことが数回あります。)シリウスの口が切れてしまったことがあります。


大声でその旨叫びましたが、燐家からはお詫びなし。


こういう無責任な飼い方しかできない家族がなぜシェパードを飼うのか。

私は今、大変怒っています。


そう言えば、センターでトレーナーを咬んでしまったシェパードも、あれ以来姿を見せなくなりました・・・・・


シェパードは優秀な犬種だと思うし、とても利口だと思っています。
ただし、飼い方によっては攻撃性のある犬になってしまう犬種であることも、ここに来て学びました。

犬を飼うときは、自分の生活習慣にあった犬種を選ぶ大切さを学びました。


燐家のような人達には、小型犬が向いてると思います。シーズとか。


できれば、アニマルコントロールには連絡したくないのですが、安全な飼い方について、厳重注意をしてもらう方がいいのかなぁ、とも思ってしまうし・・・・犬に責任がないのはわかっているのですが、私もまた自分の犬の安全を守らないといけないし・・・・


複雑です。


ペッパースプレー買おうかなぁ。
by ボーダーママ (2010-07-01 06:11) 

takuyashimomura

ボーダーママさん

コメントいつも有難う御座います。参考になったら良いですが、とても考えさせられる問題をお抱えですね。。。

犬種に拘りすぎも駄目ですが、犬種の特性は把握しておくべきだと思いますね。また、飼い方によって大きく変わるんだということも知っておくべきだと思います。

とはいえ、世の中皆犬の為に生きているわけではないので、そこが非常に難しい問題ですよね。

日本とアメリカはそこが似ている所だと思います。イギリスは、なんだかんだと言いながら、割合皆が犬好きですから、そういう意味では問題が少ないんだと思いますよ。

こういう問題になると引越しとか、犬の処分とか、人間の利益を優先した考えがどうしても出てきてしまいがちです。「隣の犬さえ居なくなれば」と思っている人が世の中にたくさん居るのも事実だと思います。実際、そういう経験をした人にしか解らないことだとも思います。

だからこそ、トレーニングや犬に対する考え方を変えることはとても大切な事だと考えています。その為に頑張りますので、また応援宜しくお願いします!!
by takuyashimomura (2010-07-01 06:36) 

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