イギリス式 ガンドッグ・トレーニング ~実践編 その1~ [Gun Dog]
【お気に入りの写真の1つ】
イギリスの冬には珍しい晴天。黒のラブをメインに一線に並んでいると壮観。犬って綺麗だなぁって思います。加えて黒も綺麗ですね。
さて、準備・説明を経たところで、いよいよ外に繰り出していきます。PattyとTonyの2チームに別れて、「Gun Dog Training」を開始する事になりました。午前中はPatty、午後はTonyのチームでそれぞれ参加させて貰いました。
午前中のチームは、最初の写真にもあるように黒のラブラドールを始めとした割合大型犬チーム。さすが狩猟犬だからか、広い緑がしっかりとマッチしています。
中でも凄かったカップルは、このおばあさんとラブラドール。午前のレッスンは4時間と長かったのですが、終始おばあさんの口、手から繰り出されるシグナルに集中しており、これこそ「絆」の深さだなぁと実感してしまいました。
突然ですが、「Fetch」と呼ばれるコマンドは所謂日本で言う「持ってこい」とか「取って来い」という単語です。
人が物を投げる、犬が走る、取りに行く。この3段階だけかと思っていました。ところが、Gun Dogの一番重要なことは「我慢」すること。要は、人が投げた(もしくは、投げられたダミー)をその瞬間に取りに行きたい犬の欲求をコントロールしなければいけないのです。これが如何に難しいことか。
ラブラドールだから賢いというモノではありません。反対に言えば、どんな犬でもトレーニングすればある程度のレベルまでは必ず達する事が出来るということでもあります。
参加していたラブラドールの中には、どうしてもおもちゃやダミーが目の前を飛ぶと我慢できない犬がいました。この犬をGun Dogとして仕上げるには、取りたいという欲求<飼い主の指示という方程式に当て嵌めないといけないのです。
ですので、午前中RetrieveまたはFetchの練習をする前に、みっちり4時間「我慢」=「Stay」の練習が行われました。
その中でもGun Dogらしかったのは、飼い主と一緒に歩く、そして何処からか音が鳴る(この場合Pattyが鳴らします。プルルルルルといったもの。)それが鳥が落ちたという合図になる。この瞬間に取りに行かずに、我慢させて、Stayが出来たら、Fetchさせて、ホイッスルを吹いて戻らせるというトレーニングです。
含まれる技術
・飼い主の横にぴったり付いて歩く技術。(Heel Work)
・音に反応するけれども、リアクションは起こさない。(飼い主の指示待ち状態)
・獲物を取りには行かないけれども、それが何処にあるのかを記憶する。
・Stayの状態を維持する事。
・「Go」「Fetch」「Hold it」などの合図と共に、一目散にダミーを探し出し銜える事。
・ホイッスルの号令と共に、飼い主の共にダミーを届けること。
・戻ってきたら、飼い主の手元にダミーを大人しく渡す事。
全て完璧に出来る犬は少ないものの、朝からずっと練習していれば段々と犬も理解していくようです。
それでも、トレーニングされていない犬よりはずっと飼い主を信頼しているように見えます。これが高度なドッグトレーニングなのだと実感させられました。
ただ、Gun Dog Trainingを僕が興味を持っている家庭のドッグトレーニングに応用できないかというと、そうではないと思います。あくまで、基本の延長がこのGun Dog Trainingなのだと思いました。Fetchという1つの動作でも、突き詰めればGun Dogのレベルまで上げる事が出来る。そう気付けたのは、僕にとって何よりの宝物です。
このレベルまで犬を仕上げると、犬の事が別段好きじゃない人にも「凄い!」と思わせることが出来ると思います。「Dog Dance」の様な派手さは無いにしろ、犬の能力を最大限発揮できた形、本来の犬の形の1つがGun Dog Trainingなのだと感じました。
実践編 その2では、Tonyの愛犬の黒のラブラドールについて書きたいと思います。「凄い」ですよ!
2010-03-06 01:16
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